日本的経営とは?

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「日本的経営」は、日本の経済成長を支えたとされています。具体的には、年功序列型賃金制度、終身雇用制、企業別組合の3つが日本的経営の特徴とされています。これらの特徴を1つずつ取り上げて、なぜ日本的経営が日本の経済成長につながったのかを理解していきましょう。

まず、年功序列型賃金制度については、同じ企業に勤め続ける意欲を高める効果がありました。入社した企業に長く勤めて年齢を重ねれば重ねるほど、給料が上がっていくシステムになっていたからです。日本が大きな成長を遂げるにあたっては、研究・開発といった長い年月がかかる取り組みが重要な要因の1つでした。したがって、頻繁に人材が移動することなく、1つの企業に勤め続けることで、長期的視野に立った研究・開発を行いやすい環境が整えられました。現在でも研究・開発が軽視されているわけではありませんが、年齢が上であることを理由に高い賃金が与えられることに若年層を中心に不満が高まり、やる気を十分に引き出せなかったことから、仕事の実績に応じて賃金が変動する成果報酬型賃金制度を導入している企業もあります。

次に、終身雇用制は、社員およびその家族の生活の安定性を確保する役割を果たしました。また、企業にとっては人材を確保しやすいというメリットがありました。人材を確保しやすいことは、人材教育を積極的に行うことにつながり、社員の能力を向上させて生産性アップに貢献しました。そのため、総要素生産性(労働者の努力によって向上する)が向上し、経済成長率が押し上げられたのです。

最後に、企業別組合であったことにより、複数企業の社員が団結して労働争議を行うケースを減らすことができました。そのため、安定した企業経営を行ううえで効果を発揮した。社内での足並みがそろわないと、いくら成長のチャンスがあってもお互いに足を引っ張り合ってしまい、チャンスを逃してしまいかねません。経営が安定しやすい企業別組合制であったことは、成長のチャンスをとらえやすくするのに有効でした。