デリバティヴとは

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デリバティヴとは、金融派生商品のことです。先物取引やオプション取引などが挙げられます。デリバティヴと聞くと、投機的なリスクの高い商品だと考える人が多いですが、デリバティヴとは本来、リスクヘッジを行うための商品です。では、デリバティヴの具体例を取り上げながら、どのようにしてリスクヘッジが行われるのかを見てみましょう。

一番わかりやすいのが先物取引です。先物取引とは、将来の一定時点において一定価格である商品を売買する取引のことです。先物取引を行うためには、対象となる商品の現物を保有している必要があります。ここでは、国債の先物取引を例として、リスクヘッジの仕方を考えます。

現在、保有している国債の価格が110円であり、1年後には国債価格が105円に値下がりすると予想しているケースを考えます。現在、1年後に国債を108円で売却する先物契約を行いました。

このケースでは、1年後に国債価格が予想通り105円に値下がりした場合でも、国債を108円で売却できます。先物契約を行っていない場合だと5円の損失が発生していたところを、2円の損失に抑えることができています。

いっぽう、1年後に予想に反して国債価格が111円に上昇した場合においても、残念ながら先物契約に基づき、国債を108円で売却しなければなりません。先物契約がなければ1円の利益が発生していたはずなのに、先物契約をしたために2円の損失が発生することになります。

価格が上昇・下落のいずれの方向に変動した場合でも、先物契約をしていると2円の損失となります。いっぽう、先物契約がなければ、値下がりケースでは5円の損失、値上がりケースでは1円の利益が発生します。リスクとは価格の変動度合い(ボラティリティ)を指すことから、価格の変動がゼロとなる先物契約ありのほうが低リスクだといえます。このように、デリバティヴは本来、リスクを低減するために活用される商品です。投機目的で売買することも許可されていますが、デリバティヴが登場した目的は念頭においておくとよいでしょう。