マイクロクレジットとは

[菅 正広]のマイクロファイナンスのすすめ―貧困・格差を変えるビジネスモデル

マイクロクレジットとは、少額の融資を意味します。南アジア地域の発展途上国バングラデシュでマイクロクレジットが成功を収めたことから注目が高まりました。では、マイクロクレジットは何のために存在し、どのような性質を持っているのでしょうか。

マイクロクレジットの存在意義は、信用力があまり高くないものの、ビジネスチャンスを見つけた比較的所得の低い発展途上国の個人を支援することです。銀行での大口融資だけだと、こうした人々は審査に落とされてしまったり、必要な資金量と融資の最低金額がかみ合っていなかったりするケースがみられます。融資を受けられさえすれば利益を上げられる可能性が高いとわかっていながら、元手がないためにみすみすビジネスチャンスを逃してしまい、低所得のままになっている人々にマイクロクレジットを提供すれば、所得の向上が期待できます。

マイクロクレジットでは、2週間などの短期間の融資も多く行うことで、貸し倒れのリスクを下げる工夫をとることがあります。とはいえ、比較的信用力の乏しい人々を対象としていることから、金利はやや高めとなります。そのため、ビジネスチャンスをさほど見いだせていないにもかかわらず、安易にマイクロクレジットを利用すれば利息負担が重くなってしまうことが考えられます。マイクロクレジットを途上国の人々が適切に利用できるかどうかが、効果が発揮されるかどうかの分かれ目となります。

マイクロクレジットの貸し倒れ率を下げる方法として、連帯責任制がとられていることもあります。グループ内で資金を返済しない人がいた場合、ほかのグループ構成員がその人の資金を返済しなければならないといったシステムです。こうすることで、返済できるのにもかかわらず返済しない人が発生する確率を下げることができます。

ただし、マイクロクレジットで連帯責任制をとると、信用力が特に低いとされる人々はそもそもグループに入れてもらえず、低所得から脱却できない可能性があります。グループで責任を共有することには、デメリットもあることがわかります。長短両面のバランスをとりながら、システムを工夫していくことが必要です。