貸借対照表と損益計算書

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上場企業が決算を発表する際には、財務諸表を開示する必要があります。財務諸表のうち、メインのものを2つ挙げるとすると、貸借対照表(バランスシート、B/S)と損益計算書(P/L)があります。これらにはどのような違いがあるのでしょうか。

まず、貸借対照表は、企業の資産・負債・純資産を表します。表の左側に資産、右側に負債と純資産を記録します。資産には、土地や建物、車両運搬具などがあります。負債は借金とイメージしてください。純資産は資本金と考えましょう。ここからわかるように、貸借対照表は企業に蓄積された財産(ストック)を表します。

いっぽう、損益計算書は、当該企業の会計期間における費用と収益を表します。表の左側に費用、右側に収益を記載します。損益計算書は、会計期間内のお金のプラスマイナス(フロー)を表しています。

このように、貸借対照表がストックを表すのに対し、損益計算書はフローを表します。では、この2つのどちらがより重視されているのでしょうか。

まず、日本では損益計算書が重視されています。決算の際には、企業が1年間どのような活動を行ってきたのかを判断するために、損益計算書を使用します。日本のように、損益計算書を重視する考え方を収益費用アプローチといいます。損益計算書に収益と費用を記録することからつけられた名前です。

いっぽう、日本を除く国では、貸借対照表が重視されています。企業活動の成果によって、貸借対照表の純資産が増加することを期待しているからです。イギリスなど多くの国が採用しているこの考え方は、資産負債アプローチと呼ばれます。アメリカでもこの考え方が用いられていますが、アメリカは収益費用アプローチの考え方にも一定の理解を示しています。アメリカはやや日本よりの会計観念を持った国だといえます。

このように、貸借対照表と損益計算書はいずれも重要な財務諸表ではありますが、国によってどちらをより重視するのかが異なります。