高齢化社会が経済成長するにはどうする?

[鈴木隆雄]の超高齢社会の基礎知識 (講談社現代新書)

日本では少子高齢化が急速に進んでいます。人口も減少に転じていることから、今後の経済成長に対する不安が生じます。実際、日本が高度経済成長を遂げていた時期には、人口の伸びが成長を後押ししている側面がありました。いわゆる「人口ボーナス」です。ところが、人口は減少し、残っている人口も貯蓄率の高い高齢者が中心となれば、経済成長は期待薄となってしまいます。では、高齢化社会において経済成長を遂げるにはどうすれば良いのでしょうか。

まず1つ目のアイデアは、高齢者の消費意欲を刺激することです。消費が減退すると景気は低迷してしまいます。そこで、資産を相対的に多く持っている高齢者の消費意欲を高め、個人消費を伸ばすことを目指します。具体的には、昔を懐かしむことができるような商品やサービスを多数提供することです。復刻版のマンガやお菓子を積極的に開発・販売するなどして、高齢者が自らのために購入したいと考える商品ラインナップを強化します。加えて、孫などの世代のために消費する金額を増やしてもらいます。これは、高齢者が子供向けの商品を購入する際に使えるプレミアム商品券の発行などが有力な選択肢ではないでしょうか。プレミアムがつくとなればお得感があるほか、孫のためという意識を持たせることで、消費をすることに周囲の理解も得やすくなります。

2つ目のアイデアは、現在「高齢者」と呼ばれている人々の一部を「現役世代」に分類し直すことです。一般的に基礎年金受給が始まる65歳以上の人々を高齢者に分類するのが基本とされていますが、65歳前後ならまだまだ元気はつらつとした人がたくさんいます。実際、平均寿命の伸びとともに日本の健康寿命も延びてきていることから、従来の弱った高齢者とは全く異なる「高齢者」が現れてきているのです。強制的に65歳以上の人々を働かせることは好ましくありませんが、意欲のある人を積極活用できれば、現役世代の比率が下がるのを防ぐことができます。