ブラジル経済は大丈夫?

2016年11月19日

ブラジルの政治経済と日本のODA

ブラジルは、鉄鉱石をはじめとする資源の輸出国です。そのため、資源価格が下がれば、国の経済が大打撃を受けます。中国経済の減速によって資源価格が低水準となるなか、ブラジル経済は大丈夫なのでしょうか。

結論から言えば、ブラジル経済は極めて不安定な状態です。2016年夏に、南米初のオリンピック開催となったブラジルですが、とてもオリンピック開催を祝える状況ではないといえます。実際、ブラジルではオリンピック施設建設の予算を削減しており、準備が遅れている状態でした。また、リオデジャネイロでのカーニバルも、規模を縮小したり、開催を取りやめたりといった動きが出ています。国全体にお金が不足している状態なので、誰もあまりお金を使いたがらないのです。

消費が落ち込めば、内需に期待することもできなくなります。結果的に、経済が低空飛行を続けてしまうのです。

さらに、ブラジルでは大統領をはじめとする重要人物に汚職の疑惑が次々と持ち上がってきています。経済が低迷している中で政治も混迷するとなれば、さらにブラジル経済は疲弊してしまいます。中国などの新興国で成長率が低下していると伝えられていますが、それでもプラス成長している国が大半です。ところが、ブラジルではマイナス成長となっています。新興国でありながら、GDPが減少しているのが実情です。

では、ブラジル経済は苦境を脱することができるのでしょうか。国の産業が十分に育っていないことから、自力での回復は難しいといえます。ただ、資源価格が徐々に持ち直してきていることから、ブラジル経済も恩恵を受けられる可能性があります。通貨ブラジルレアルが暴落しないことを願いつつ、資源価格の回復を待つ、というのが現在のブラジルにできることではないでしょうか。

もちろん、ジカ熱対策や政治の安定化などの取り組みは一定程度必要です。しかし、資源輸出への依存度が高い経済構造では、自力での経済再建は難しいのです。これはブラジルのみならず、多くの新興国にあてはまることです。他の新興国経済の行方を考える際も、輸出品目に過度な偏りがないかをチェックしてみましょう。