地域通貨は地方経済の活性化につながるのか

2016年11月19日

地域通貨入門―持続可能な社会を目指して

地方経済の活性化を目指して、地域通貨が導入されることがあります。では、地域通貨は果たして地方経済の活性化につながるのでしょうか。地域通貨のメリットとデメリットを把握してみましょう。

まず、地域通貨のメリットとしては、地元に住む人々の消費が地域外に流出しにくくなる点が挙げられます。地域通貨を住民に配布すれば、消費を地元で囲い込みやすくなるからです。地域外でも使える貨幣と地域通貨を、地域通貨を利用したほうがお得になるレートで交換すれば、地域通貨の利用が地域住民の家計を助ける役割にも期待できます。地域の消費を囲い込むための取り組みとしては、地域振興商品券の発売という方法もあります。しかし、地域通貨を導入するほうが流通させ続けることができる分、商品券を毎年印刷するなどの手間を省くことができます。また、地域通貨で支払いを受ける地元の店舗などでも、商品券であれば換金する必要があるのに対して、地域通貨であればそのまま利用することができるメリットもあります。

いっぽう、地域通貨のデメリットとしては域外から消費を呼び込みにくくなる点が指摘できます。域外からの消費を呼び込む際には、地域通貨を持っていない人たちの購買意欲を上げる必要があります。しかし、地域通貨を利用したほうがお得であることが明白な場合、域外の人たちが積極的にお得度の低い状態で購買を行いづらくなります。したがって、外部からの消費を呼び込む場合には、地域外でも地域通貨を販売するなどの取り組みを検討する必要があります。また、地域通貨と域外でも使える貨幣とで価格設定に差をつける場合には、

売上高を計算する手続きなどが煩雑になる可能性もあります。

このように、地域通貨にはメリット・デメリットの双方がありますが、地域通貨を導入している地域よりも地域振興券を定期的に発売している地域のほうが多く見受けられる以上、地域通貨の導入は手間がかかる取り組みだといえるかもしれません。