トリクルダウン効果とは

2016年11月19日

税金逃れの衝撃 国家を蝕む脱法者たち (講談社現代新書)

アベノミクスについて「富裕層が優遇されている」との批判的な意見があります。こうした意見に対する反論としては、「富裕層がお金を使えば、中所得や低所得層にも恩恵が回っていく」というトリクルダウン効果について指摘するケースがみられます。では、トリクルダウン効果とはどのような効果なのか、より詳しくみてみましょう。

富裕層は追加的な資金を手にすると、消費に回す傾向が強いです。というのは、十分な資産を持っているため、将来に向けた貯蓄をする必要がないからです。このことを、「消費性向が高い」といいます。逆に、得られた資金を貯蓄に回す割合が高い場合は「貯蓄性向が高い」といいます。

さて、富裕層は消費性向が高いことから、追加的に得られたお金で消費をします。大きな買い物としては、別荘の購入や自宅のリフォーム、自動車の購入などが挙げられます。例えば、自宅をリフォームする富裕層が増えれば、リフォーム業者の売り上げが拡大します。そうすれば、リフォーム業者で働く従業員も、間接的に恩恵を受けられることになります。 また、宝飾品や高級時計の需要が増加して百貨店が盛況となったり、高級ホテルの稼働率が上がったりすることが期待できます。

このように、富裕層がお金を使うことで、富裕層をターゲットとしたビジネスに深くかかわっている人ほど多くの利益を得られます。したがって、富裕層関連ビジネスに従事している人は、トリクルダウン効果を期待して良いでしょう。いっぽう、富裕層とはあまり関係のないビジネスを行っている場合は、トリクルダウン効果はあまり期待できません。というのも、初めに富裕層が使ったお金を、お金の流れの上流側にあるビジネスから順に獲得していくため、お金の流れの下流でビジネスを行っている場合は、利益が残されていない可能性が高いからです。富裕層が潤う状態が長期にわたって継続する場合は、富裕層関連のビジネスに取り組み、自らも富裕層の仲間入りを目指してみても良いでしょう。