個人投資家のための運用利回り計算法(2)修正ディーツ法

2015年11月8日

前回は厳密法について書きました。厳密法はお金の出入りをすべて考慮するため正確なのですが、お金の出入りがある度に時価総額を記録しておく必要があります。個人投資家にとっては、運用パフォーマンスの正確さよりも手間の方が問題になるかと思うので、もっとゆるい計算法が良いですよね。そこで、厳密法をカンタンにしたのが修正ディーツ法です。

修正ディーツ法の計算例

厳密法では、入出金があるたびにその時の時価総額を使って利回りを計算しました。修正ディーツ法では、時価総額を使いません。入出金の日付と金額をメモしておいて、後は月末にまとめて計算することができます。

例えば、3月の運用パフォーマンスを計算するとします。厳密法のときの例と同じく、3月頭の時価総額が100万円、3月10日に配当収入が5000円、3月末の時価総額が105万円だったとします。厳密法では3月10日の時価総額を考慮しましたが、修正ディーツ法では無視します。利回り計算式は次のようになります。

利益 = 105万円 – 100万円 – 5000円 = 104万5000円

利益を得るために使った運用資産 = 100万円 + 5000円 x (20日 / 30日) = 100.333万円

3月の運用パフォーマンス = 利益 / 利益を得るために使った運用資産 = 4.485%

3月10日の配当収入は運用資産にプラスされるため、運用資産額が増えます。ということは、逆に運用パフォーマンスは減ります。運用額が大きければ大きいほど、利益を得ることは簡単になるためです。配当収入は3月10日にあったので、月初から1/3が経過するまで、運用資産に配当収入は含まれません。配当収入を得た後の20日間は、元々の運用資産プラス配当収入が運用資産になります。

以上のように、入出金のタイミングによって、その資金がどれくらいの日数で運用されたかを考慮する。これが修正ディーツ法です。

ちなみに、厳密法で計算した時の運用利回りは4.482%だったので、ほんの少しだけ誤差が出ていますね。ホントに少しですけど(^^;

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Photo credit: Booksworm / Foter.com / CC BY-SA

修正ディーツ法の数式

具体的な計算式は次のようになります。

修正ディーツ法

上述の3月パフォーマンスを計算する例では、数式の各項目に以下の数字が当てはまります。「Σ」は、発生したキャッシュフロー全部について計算する、という意味です。ここで書いた例では、キャッシュフローは1回の配当金だけですが、他に入出金があったら、すべてを運用日数分だけ運用資産に足すことになります。

期末の時価総額:105万円

期初の時価総額:100万円

キャッシュフロー合計:5000円

キャッシュフロー(配当):5000円

キャッシュフロー(配当)発生日〜月末の日数:20日

期初〜期末の日数:30日

 

第一生命 年金通信 「運用用語解説」第 4 号 運用資産のパフォーマンス測定について
http://www.dai-ichi-life.co.jp/legal/welfare/nenkin_tsushin/pdf/index_06_010.pdf