株式投資で考えるべきリスク(5)為替リスクとは

2015年11月8日

為替リスクとは、為替レートが上下するリスクです。為替レートとは、ある通貨とある通貨を交換するときのレートです。例えばドル円であれば、1ドルと円を交換するときにもらえる円の量を表します。ドル円レートが100円であれば、1ドルを100円と交換できるし、100円と1ドルを交換できます。ドル円レートが低ければ、ドルの価値が低いことになるのでドル安=円高です。逆に、ドル円レートが高ければ、ドルの価値が高いことになるのでドル高=円安です。

為替レートは通貨ペアごとにドル円・ユーロ円・ユーロドル・人民元円・ウォン円・タイバーツ円などなど、たくさん有ります。為替レートが上下するリスクは、円安メリットを持つ企業、円高メリットを持つ企業、国全体の景気に影響します。

円安メリットを持つ企業

円安メリットを持つ企業の代表格はトヨタです。トヨタは自動車を海外にたくさん販売しています。海外で自動車を売ったとき、代金として貰えるのは売った国の通貨です。アメリカで自動車を売ったらドルを貰う訳ですね。トヨタは貰ったドルを日本円に交換して、円ベースでいくら儲かったのかを計算します。このとき、ドル円レートが低い=円高=ドル安であれば、アメリカで貰ったドルは円で考えると価値が高く、儲けが少なくなります。逆に、ドル円レートが高い=円安=ドル高であれば、アメリカで貰ったドルは円で考えると価値が低く、儲けが多くなります。

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円高メリットを持つ企業

円高メリットを持つ企業の代表格はニトリです。ニトリは海外で家具を生産して日本で販売しています。販売先が日本なので、家具を売ったとき、代金として貰えるのは円です。円はそのまま円で儲けを計算すれば良いので、為替は影響しません。為替が影響するのは家具の原価です。

海外で生産するためには、工場などの生産設備や労働者が必要になります。例えばタイで家具を生産する場合、工場の建設費用や労働者への人件費をタイバーツで支払うことになります。原価はタイバーツがベースになるので、もしタイバーツ円レートが低い=円高=タイバーツ安であれば、円から見たときの原価が安くなり、儲けが増えます。逆に、タイバーツ円レートが高い=円安=タイバーツ高であれば、円から見た原価が高くなり、儲けが減ります。

落ちこぼれでも成功できる ニトリの経営戦記

為替レートが日本経済全体に与える影響

それから、為替レートの円安・円高が日本経済全体に与える影響が有ります。最近の日本市場の株価の動きを見ていると、株式を売買している人たちは円安の方がメリットありと判断しているようです。円安になれば株価が上がり、円高になれば株価が下がっています。経済が良い=株価が騰がる。経済が悪い=株価が下がるという図式が成り立つのであれば、円高は日本経済に悪影響を及ぼし、円安は日本経済に好影響をもたらすということになります。

経済が良いor悪いというのは、為替レートが直接影響する企業以外にも影響します。円で商品を調達し、円で販売している企業には為替リスクがありません。しかし、もし急激な円高によって経済が悪化し、内需の冷え込みが発生する場合、日本の企業全体の業績が悪くなる可能性があります。

為替リスクが直接的に発生する企業と、間接的に発生する企業の2種類あるわけです。グローバル化が進む中、為替リスクがゼロの銘柄は少ないのではないかと思います。

為替リスクへの対応・対策

いくつかのスタンスがあります。

  • 為替レートの予測をして、それに基づき銘柄を選ぶ
  • 円高メリット銘柄と円安メリット銘柄を両方持ってバランスをとる
  • FXや外貨預金などで株式の為替リスクをヘッジをする
  • 為替がどうなろうと関係なく成長するであろう銘柄を選ぶ

日本株は、為替リスクの影響を非常に強く受ける資産だと思います。為替リスクを取るのか取らないのか、はっきり方針を決めてポートフォリオを組むことが重要です。そうしないと、最近のような為替に振り回される相場に直面したときに、何かしら判断を誤るかもしれません。